ドッグフードはこまめに切り替えるべき?ずっと同じフードはかわいそう?
犬のしつけの観点からドッグフードは無暗に変えず、同じフードを継続して与えることが望ましいといわれています。でも毎日同じドッグフードを同じ量、同じ時間で食べ続ける愛犬は本当に幸せ?と不安を感じることはありませんか?家族と同じ様に毎日違うご飯の方がいいのでは?と思い悩んでしまうでしょう。今回はドッグフードの切り替えと犬の食性に注目してみましょう。
毎日同じ食事はかわいそうなことではありません
犬にとって毎日同じ食事が続くことは決してかわいそうなことではありません。犬の祖先であるオオカミは離乳後、最初に口にした獲物を安全な物と認識し生涯を通じて積極的に摂取し続けます。最初の獲物は親が安全と判断し与える訳ですから、親からの教えを無条件で受け継ぎ、自身の安全や健康を維持し続けます。犬もこのオオカミと同じ食性をもっているので、離乳後に市販のドッグフードを食べること、親同然に信頼している相手から与えられる食事を安全安心な物を認識し食べ続けます。
動物は本来常に飢餓の危険を感じながら暮らすので、ペットとして毎日同じ量、同じ時間に食事をもらえることは飢餓の危険を感じずに暮らすことができ、大きな安心につながっています。
もし毎食ドッグフードを変えれば、愛犬は毎食時に目の前にある食事が安全なものか、食べても害はないのかと考えながら食べることになります。中には戸惑いから偏食を起こす犬もいるでしょう。
もちろんまるで躊躇することなく目の前のドッグフードを食べる犬もいます。これはドッグフードではなく、時間や器、ドッグフードを置かれる場所を安全な場所と認識できているからにすぎません。
人間と犬とでは根本的な食性が違うので、かわいそうと無暗に気に病む必要はありません。
単調な生活や食への不安が無い生活がかわいそう
犬は本来、毎回狩猟をすることで自分の食事を確保します。もちろん毎回確実に食料を確保できるわけではなく、時には数日間絶食が続くこともあります。でも食料を入手するための狩猟行動も犬に適度な運動と緊張感をもたらしストレス発散や適度な快感をもたらしてくれます。
ペットとして暮らすと、当然このような緊張感のある運動は生じません。毎日同じ時間、同じ場所に同じ食事が用意されているのですから当然です。でもこの単調な生活がストレスになる犬もいます。
例えばダックスやプードル、コッカーやビーグルといった元来は狩猟で活躍していた犬にとって単調な食生活はストレスになります。
もし愛犬が偏食や少食を起こしている場合は、単純にドッグフードを別ブランドに切り替えるだけでなく、適度な刺激を与える方法で食事をさせてみてください。方法はとても簡単で「知育玩具」を活用します。知育玩具は単にオヤツを与えるためのアイテムではありません。知育玩具を器の代わりと考え、食事分のドッグフードを入れ与えてください。愛犬は知育玩具からドッグフードを取り出そうと工夫をしたり、思うように取り出せないことに適度な苛立ちを覚えます。この苛立ちも実は愛犬のストレスや退屈さの解消につながっています。
犬には犬の食性があります
犬の食事は朝夕2回、決まった時間に決まった場所でというルールは、人間と共に暮らす上で人間側の負担を軽減するために設けられた常識です。決して犬の食性に合致したものではありません。愛犬の食生活にかわいそうと感じる時は、犬本来の食性に立ち返り考えてみてください。
同じフードを毎日与えることにモヤモヤした気持ちを感じる時は、肉や魚、野菜をドッグフードにトッピングしてみてください。野生の環境では毎日同じ獲物を入手できることはありません。少しでも風味や食感が変わるだけで、愛犬本来の食性に近づけることができるので気軽にできるトッピングに挑戦してみましょう。